調剤薬局は1974年からの政府による医薬分業推進と高齢化の進展により、順調に市場規模を拡大させてきた業界です。2012年度の調剤医療費約6.6兆円という金額は、国民医療費における調剤医療費の割合は約17%と大きな比重を占めるに至っています。

一方で、高齢化の進展により経済成長を上回るペースで増加する国民医療費の抑制が社会的課題となっている現状において、政府による「社会保障・税の一体改革」が進められています。このことは調剤薬局が従来市場拡大を続けてきたけれども、調剤報酬算定要件の見直しや段階的な薬価引下げが実施されることを意味しており、結論から言うと今後の今後市場調剤医療費の伸びは大きく期待できない情勢です。つまり、政策的には非常に厳しい状況になってきているというものです。

また、調剤薬局は、地理的に近所の病院や医院に依存しているケースが高く、このことがリスクとなっています。

更には、調剤薬局にとっては調剤報酬点数表を基にした調剤報酬が売上の大半を占めるということもあり、今後の景気状況や社会情勢に応じて点数減による収入減少のリスクが常にあります。

このように、調剤薬局の現状は経営的な観点から見ると、非常に厳しい状況と言わざるを得ません。

調剤薬局側はどういう税理士を選ぶべきか

以上、今後の展望という点ではかなり厳しい調剤薬局の業界ですが、この業界で生き残っていくためには、どういう税理士を選んだほうがいいのでしょうか。

本来の税理士の業務というのは、クライアントである法人が適正な税務処理をするべく、お手伝いをすることでした。簡単にいえば、個人事業主であれば確定申告のアドバイスをしたり、法人であれば入出金を管理して、それに基づいて決算書類を作るというだけでいいのでしょうか。

冒頭にも申し上げました通り、政府において医療費を抑えるという政策を推進していくということであれば、減収の可能性が現実的になります。医療費を抑えるというのは、医療費にお金をかけないようにするというものですから、当然そこには薬代も当然含まれるわけです。したがって、そういう業界に対して税理士が税務だけのコンサルティングだけでいいというわけではいけません。

調剤薬局の3つの課題

ということは、今後の調剤薬局の課題をしっかり掴んで、それに対して税務上のコンサルティングが出来るかどうかが、税理士には必要なことになります。では、調剤薬局の課題とはどういうことか。列挙すると、

  • 財務体質を強化すること
  • 患者がきちんと利用する調剤薬局であるということ
  • 関連ビジネスへの進出

この3点です。

調剤薬局にとって必要な税理士はビジネス感覚が鋭い税理士である

調剤薬局にとって必要な税理士というのは、この3点に対して適切なアドバスが出来るかどうかが問われます。そうなると、税理士に必要なものとは、税務知識は当然として、調剤薬局業界に対する深い理解と、営業センスが必要です。調剤薬局からお客さんが(この場合は患者さんですが)離れないようにするには、調剤薬局の従業員のホスピタリティに対して、きちんと税理士が意見を言えるようにならないといけません。例えば、薬を受け取りに来た患者さんが不愉快になるような対応をしては、今後の収入に大きな影響が出てきます。それに対してきちんと意見が言えるような税理士でないといけません。

また、調剤薬局の売上が今後右肩下がりになる可能性も無きにしもあらずですから、その売上減を補填するためには、何か新しいビジネスをしていく必要がありますよね。その点をきちんとアドバイスが出来るような税理士でないと、信頼がされなくなる可能性が高いと言えます。

このように、調剤薬局向けの税理士と言うのは、今までのようにただ単に税務をやっているだけでは務まりません。営業センスや経営センスをしっかり磨いて、アドバイスできちんとできることが必要です。